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キラーズ、クラフトワーク、ノエル・ギャラガー!現場で感じた変化と未来、最高だったけど良いことばかりじゃない?今年のフジロックを振り返る #fujirock


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2024年7月26日~28日にかけて新潟県・苗場スキー場で国内最大級の野外音楽イベント【FUJI ROCK FESTIVAL '24】が開催された。1997年にスタートし、1999年に現在の苗場に会場を移してから25回目となった。筆者も毎年ありがたいことに撮影の仕事をいただき、今年も前夜祭含む4日間を楽しむことができた。ライブレポートだけでない、フジロックをTAP 99として振り返ってみたい。


最高のライブを観せてくれたヘッドライナーたち

フジロック写真
良い表情したノエル兄のお面がカワイイ

今年はSZA、Kraftwerk、Noel Gallagher’s High Flying Birdsの3組がヘッドライナーとして当初発表されていたが、開催前にSZAがキャンセルに(アーティストの都合とのことで)。その代打として、これまたキャンセル実績を持つTHE KILLERSが出演。正直当日ギリギリまで出てくるのか不安だったが、彼らはきちんとステージに現れ、ファンをステージにあげてドラムと叩かせて1曲やってしまうなど素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。テクノマエストロ、Kraftwerkは代表曲だらけの中、坂本龍一追悼のシーンも。3日目の大トリであるフジロック常連のNoel Gallagher’s High Flying Birdsは本編ラストのJoy Division以外が後半ほぼオアシスの楽曲で構成され、アンコールのドンルク大合唱まで完璧なセットだった。


変化する出演アーティスト

フジロック写真
こうやって座って観るのも醍醐味よね

ヘッドライナーをはじめ、THE JESUS AND MARY CHAIN、RIDEといったシューゲイズの巨星、オルタナの女王KIM GORDONなど海外のアーティストが多数出演することがフジロックの大きな魅力のひとつだが、邦楽勢のラインナップにも変化が見え始めた。これまでも邦ロックのバンドがヘッドライナーを勤めたこともあるが、マカロニえんぴつ、ずっと真夜中でいいのに。といったヒットチャートを賑わす“ど真ん中”なアーティストが出演。このほか、10-FEET、MAN WITH A MISSION、クリープハイプ、HEY-SMITHといった国内フェスシーンで活躍する中堅バンドの出演も目立っていたように思う。Awichはついに最大収容キャパのGREEN STAGEでのヘッドライナー前という大役の中、期待値以上のパフォーマンスを見せてくれたし、KID FRESINOは屋内ステージRED MARQUEEで2日目のトリを飾るなどラッパー勢の勢いも目立つ。現代のオーディエンスのニーズに合わせてきているのが好印象だ。


減少する来場者と上昇するチケット代

フジロック写真
川に入るのやってみたい(撮影機材持ってるので無理)

さて、オフィシャルの発表では前夜祭から合わせて延べ4日間で96,000人が来場したそうだ。コロナで規制があった期間を除くと初めて来場者が10万人をきってしまったのだ。様々な要因が考えられるが、やはり一番はチケット代の上昇ではないだろうか。これまでは3日通し券も4万円台で買えていたが、昨年どんと上がり5万5千円、そして、今年は6万円とこの数年でかなりの値上げでフジロッカーを絶叫させていた。近年の為替の影響だったり、出演料も上がっていると聞くが、新規にもリピーターにもなかなかハードルの高い金額だ。駐車場、キャンプサイト、宿泊、交通費などチケット以外にもかかってくる金額を考えると、計算したくなくなる。ただ、それでも期待を裏切らないお値段以上の体験は行った者にしかわからないと思われる。


高価なチケット代でも増加する外国人客

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結構な距離を歩かなければならないのだ

そして、現地で特に変化を感じたのはアジア系外国人客の増加だ。コロナ前くらいから欧米の観客が増加していることは感じていたが、今年は様々な場所で韓国語、中国語などが飛び交っていた。PEGGY GOU(韓国)、NO PARTY FOR CAO DONG(台湾)、250(韓国)、ALI(インドネシア)などアジア系統のアーティストが今年も出演していたが、これまでも様々なアジア系のラインナップを固めてきた効果が出てきたのだろうか。コーチェラ、ロラパルーザなど世界各地で大規模な音楽フェスは開催されているが、チケットの確保がかなり困難になっており、世界の音楽ファンがチケットが取りやすいフジロックに目をつけ「日本旅行のついでにフェスも行っちゃおうぜ」となるのも分かりやすいかもしれない。


目に余るマナーの悪さはどうにもならないのか

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ゴミ袋被せた椅子放置は本当に減らない

世界一クリーンな音楽フェスであると言われている通り、ゴミの分別は行き届いて、みんなで作りあげているという空気感は会場全体に伝わっている。海外の大規模音楽フェスの終了後は散らかり放題で、その様子は信じられないくらいの汚さでドン引きするレベル。ぜひ「グラストンベリー ゴミ」で画像検索してほしい。流星街のような写真が並ぶはずだ。ただ、フジロックでも近年、ゴミやテントを放置して会場を後にするような人も増え、運営から注意喚起としてマナー向上のお願いがされている。それでもも禁止されている組立式アウトドアチェアを抱えて場内を動き回る客、場所取りで放置されている椅子(エントランスで配られるゴミ袋で雨除けというのもタチが悪い)が各所で散見された。こういったマナー違反はほかにも数えきれないほどだ。

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ヘリノックスは禁止になってしまったが、結構いる

これを解決する解決するためのルールが設けられれば自由なフェスの空気感も台無しだ。運営側も設定しなければならないのはつらいはずだ。正直運営の対応もこれ以上は限界なのではないだろうか?NHKの「100カメ」は見たか?不便な環境で少しでも快適に過ごしたいのは理解できる。でも、それはみんな一緒。高いチケ代払って、結構な時間と手間をかけて苗場まで来ているのだ。「助け合い・譲り合い」「自然を敬う」それだけのはずなのになぜできない?頭が悪すぎる。場内での喫煙が自由だった頃のフジロックを返してくれ。


変わるのは運営じゃなくてファンだと思うんだ

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見守るゴンちゃん

チケット代は高騰し、国内の来場者が減少、アジア系外国人が増加。一部の人間がワガママ放題にのさばって、真面目に楽しんでいる人が損をする。フジロックは今の日本の縮図のようになっている。出演するアーティストについてあーだこーだ言うのも楽しいが、30周年を前にどうしていくのが良いのか来場者側がもう一度考えてみないか?このままじゃレッチリ来てくんないぞ。

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「苗場に帰ってきた」というフジロッカーたち

あと、ノエル兄さんのライブで少し悲しかったのはゲム・アーチャー、クリス・シャーロックとほぼオアシスな面子で披露される名曲たちでも序盤の「Going Nowhere」「Talk Tonight」でオアシス曲と気づいていないオーディエンスの多さ。そらB面ベストの『The Masterplan』からだし、しゃあないかもだけど、いろんな楽しみ方はあるけど、ドンルクしか待ってない空気感はほんの少し残念。


と、フジロックおじさんらしい愚痴っぽい締まりになってしまったが、そんなネガティブな部分も吹き飛ばすだけの魅力がある。行かないとわからない。でもちょっとその空気感が少しでも感じることができるかもしれないアフタームービーが公開されていた。来年も行けるなら行くぞ。みんなも一緒行かない?




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